よっちゃんの電工2種講座

第1回 第二種電気工事士に関する法律

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●まえがき

どーも!よっちゃんです。
それでは第1回目の講義をはじめます。

今回は初回なので本サイトの筆記試験対策講義について簡単に説明します。

本サイトの筆記試験対策の講義は全部で16回分用意しています。
毎回、文章による説明のあとに動画のプレゼン講義も用意しています。

人間は繰り返すことで覚えます。
また、五感のうち、一つだけの感覚を使うより
より多くの感覚を使った方が覚えます。

なので、目で文章を読んでもらったあとに
耳と目でプレゼン講義も見ていただくと、
より一層学習がはかどると思います。

それでは本題に入ります。
本日の講義内容は『第二種電気工事士に関する法律』です。
法律の問題は例年2〜3問出題されます。
そして、第二種電気工事士に関わる法律は以下の5つです


  • 1 電気事業法
  • 2 電気工事士法
  • 3 電気工事業法
  • 4 電気設備技術基準
  • 5 電気用品安全法

試験では法律の名称について問われることは殆どないです。
これらの法律の名称を正確に覚える必要はありません。

まぁ、電気に関する資格では毎回登場する法律たちなので、
もし、あなたが他の資格も取得することになれば、自然と覚えることになるでしょう

と言うことで、主に問われるのは中身です。
法律と聞くと固まってしまう人もいるかもしれませんが、
別に身構える必要はありません。

電気の試験での法律なので
難しい法律用語を覚える必要はありません。

交通ルールみたいなもので
ルールさえわかれば良いだけです。

自動車の免許も取ったときはルールがわからず難しく感じた思います。

それと同じです。

まずは
これからあなたが取得しようとしている
第二種電気工事士はどんなことができるのか。

この講義でなんとなくわかると思いますので、
軽い気持ちで読んでください。


1 電気事業法

電気事業法は電気事業や電気工作物の工事や保安などに関する法律です。

電気の法律の親玉みたいなものです。

実際にはいろいろ記載されているが、別に今、すべて覚える必要はありません。
第二種電気工事士で覚えなければならないのは大きく分けて次の2つだけです。


  • @、一般用電気工作物とは何か
  • A、事故の報告はどのようにするか


この2つがわかれば電気事業法はクリアです。
では説明に入っていきます。

@、一般用電気工作物とは何か

まず、『一般用電気工作物とは何か』ですが、結論から言うと下記の2つを満たす設備です。


  • @ 600V以下の低圧で受電している設備
  • A 小出力発電設備かつ 合計容量50kW未満の設備
  •   (※小出力発電設備がある場合のみ)


そして、各種小出力発電設備の容量は下記の表と通りとなります。

小出力発電設備
太陽電池発電設備 出力50kW未満
風力発電設備 出力20kW未満
水力発電設備 出力20kW未満
内燃力発電設備 出力10kW未満
燃料電池発電設備 出力10kW未満

そもそも『電気工作物とは何か』がわからない人も多いと思うので、 もう少し詳しく説明します。
以下は別に覚えなくても良いです。
しかし、今後の勉強の助けになるので一読してください。

はじめに
電気工作物とは大雑把に言うと電気設備全部です。
この電気工作物は2種類に分けることができます。

1つが【一般用電気工作物】
もう1つが【事業用電気工作物】

です。

まず、【一般用電気工作物】ですが、

一般と付いている通り、一般家庭や小さな店舗などで使う電気工作物です。
私たちが普段使っている電気設備のほとんどがこの【一般用電気工作物】です。

そして、あなたがこれから取得しようとしている第二種電気工事士ができる工事範囲も
この【一般用電気工作物】
です。

【一般用電気工作物】は一般の人が使うので低電圧、小容量の電気設備になります。

具体的に言うと電圧は600V以下(低圧)です。
また、発電設備を設ける場合は小さな容量の発電設備(小出力発電設備と言います)に限ります。

次に【事業用電気工作物】ですが、
これはすべての電気工作物から【一般用電気工作物】を除いた電気工作物です。
大きな事業所や商業施設、発電所などがこの【事業用電気工作物】にあたります。
事業で使うので高電圧、大容量です。

具体的に言うと電圧は600Vを超えるもの、発電設備は小出力発電設備の出力(容量)を
超えるものです。
また、低圧でも場外を渡って配電されるものは事業用電気工作物です。

更に、【事業用電気工作物】の内、電気事業(電力会社や送配電会社がやっている事業)に供するもの
【電気事業用電気工作物】それらを除くものを【自家用電気工作物】と呼んでいます。

下記は電気工作物を大まかに分けたイメージ図です。

A、事故の報告はどのようにするか

安全第一で事故は起こしてはいけません。
当たり前のことですね。

とは言え、事故が起きてしまうことがあります。

事故が起きたときには警察や消防に当然連絡しますが、 電気工作物の事故については
電気の親分に報告する必要があります。

電気の親分は誰か?

それは・・・【経済産業大臣】または電気工作物の設置場所を管轄する。
産業保安監督部長】です。

ただし、経済産業大臣に報告するのは大規模な電力設備(殆どが電力会社や送配電会社の設備)
のみですので

通常は産業保安監督部長に報告してください。

また、報告は早くしなくてはなりません。
どれくらい早く報告するか。・・・

24時間以内】です。
以前は48時間以内でしたが、平成28年4月の法改正で24時間になりました。

更に報告書も提出しますよね。
いつまでに報告書を提出するか。

30日以内】です。

ということで事故の報告をまとめると次のようになります。
これも試験にでますので覚えてください。

  • @ 事故が発生したら24時間以内 産業保安監督部長に報告する。
  • A 事故発生から30日以内に事故報告書を提出する。



2 電気工事士法

電気工事士法は電気工事士の義務や電気工事士でなければできない作業を定める法律です。
この法律で覚えなければならないのは以下の5つです。


  • @電気工事士法の目的
  • A第二種電気工事士の作業範囲
  • B電気工事士の義務
  • C電気工事士免状の交付
  • D一般人ができる電気工事

@電気工事士法の目的

電気工事士法の目的は【電気工事の作業に従事するものの資格および義務を定め、 電気工事の欠陥による災害の発生の防止に寄与することを目的とする】です。

要するに、『ド素人が工事をすると事故を起こすから、ある程度勉強した人に資格を与えて、 プロとして責任を持って工事をしてもらいましょう。』と言うことです。


A第二種電気工事士の作業範囲

はじめから読んでくれている人はもうわかっていると思うが、

一般用電気工作物】です。

600V以下の電気設備と小出力発電設備が 一般用電気工作物でしたね。


B電気工事士の義務

電気工事士の義務は3つあります。

  • @ 電気工事をするときは電気工事士免状を携帯すること
  • A 電気設備技術基準に適合するように作業すること
  • B 電気用品安全法に適合する電気用品を使用すること


要するに

『免状はいつでも提示できるように持つんだよ。』
『電気設備技術基準という施工方法を守るんだよ。』
『電気用品安全法と言う法律で国がお墨付きを与えた安全な部品を使うんだよ。』

と言うことです。

『免状をちゃんと持って、正しい方法で、いい部品を使え!』と言うことです。


C電気工事士免状の交付

電気工事士試験に合格したら、免状を交付してもらいます。
誰に交付してもらうか?

これも電気工事士法に定められています。

ずばり【免状の交付は都道府県知事】です。
電気の親分ではありません。

あなたが住んでいる、又は仕事をしている都道府県の知事さんに交付して貰ってください。

ここで、他の都道府県で仕事ができるの?
と心配になる人もいるかもしれませんが、ご安心ください。

どこの都道府県知事に免状を交付して貰っても、日本全国で仕事ができます。


D一般人ができる電気工事

@の項目で電気工事士法の目的は
『ある程度勉強した人に資格を与えて、 プロとして責任を持って工事をしてもらうことだ!』
と言いました。

でも、さすがに一般人(素人)にすべての電気工事を禁止してしまうといろいろと
不都合がでます。

例えば、買ってきた電化製品の電源接続も厳密に言えば電気工事ですし、
電子レンジのアース線を付けるのも電気工事です。

これらを禁止するのはナンセンスです。
まぁ、私はそれだけで給料がもらえるならそれでもいいのですが・・・
現実にはそうもいきません。

なので、電気工事士法では、一般人ができる 電気工事について、例外を設けています。
以下に5つ挙げますので覚えてください。

基本的に失敗しても即、漏電事故にならない軽微な作業です。
試験では『逆に電気工事士でなければできない作業はなんですか?』と問われることもあります。 その場合は下記の5つの作業を除くものすべてと思ってください。


  • @ 電気機器や蓄電池の端子へ電線をネジ止めする作業
  • A 電気機器への接地線取付け作業
  • B 電力量計、電流制限器、ヒューズの取付け・取外し作業
  • C 36V以下の配線作業
  • D 電柱の設置、暗きょの設置・変更作業


3 電気工事業法

電気工事業法は一般用電気工作物や自家用電気工作物の保安を確保するために 電気工事業者に対して取決めをしている法律です。

ここでは以下の2つの項目について覚えれば大丈夫です。


  • @電気工事業を始めるには
  • A電気工事業者の義務

@電気工事業を始めるには

電気工事業を始めたいときどうしますか?

当然ですが、電気工事業の登録をします。

また、登録の有効期間があるので、期限が来たら登録の更新をします。
途中で登録内容に変更があるかもしれません。そのときは届出をしてください。

と言うことで
覚えておかなければならないのは登録先、有効期間、変更の届出期限です。
下記の3つを覚えてください。


  • @ 電気工事業の登録先
  • 営業所が1都道府県にある ⇒  都道府県知事
  • 営業所が2都道府県以上にある ⇒  経済産業大臣
  • A 登録電気工事業者の有効期限5年
  • B 登録の廃止や変更は30日以内に登録先に届け出ること

A電気工事業者の義務

電気工事業者の義務は下記の6つあります。
ざっと見てもらえばわかると思いますが、どれも当たり前のことです。

『身分を明らかにし、責任者を置いて、行った工事の記録を残しなさい。』
『工事がしっかりできてるか測定する器具も備えなさい。』

と言うことです。


  • @ 営業所ごとに主任電気工事士を置くこと
  • A 電気工事士でないものを電気工事の作業に従事させることを禁止すること
  • B 電気用品安全法表示がされている電気用品を工事に使用すること
  • C 営業所ごとに回路計、絶縁抵抗計、接地抵抗計を備えること
  • D 営業所ごとに氏名または名称、登録番号、電気工事の種類、 その他の経済産業省令で
  •   定める事項を記載した標識を掲示すること
  • E 営業所ごとに帳簿を備え、その業務に関し経済産業省令で定める事項を記載し、
  •   5年間保存すること

ところで、余談ですが、電気工事業者の義務ですが、実はこれは電気工事業を新規で始めるときに必要なものにそのまま当てはまります。

そして、この中で一番大変なのは主任電気工事士を置くことです。

なぜ大変かと言うと、この主任電気工事士になるためには、 第二種電気工事士として3年以上の実務経験または、第一種電気工事士であることが必要です。

第一種電気工事士免状の申請用件は5年以上の実務経験なので、実務経験が必須です。

つまり、第二種電気工事士の免状を取ったからと言って、すぐになれるものではありません。

ただし、言い換えれば誰でも免状を取って3年の実務経験を積めば独立できると言う事です。
現に、自分を主任電気工事士にして独立している人はいっぱいいます。

4 電気設備技術基準

電気設備技術基準は電気設備の保安確保の観点から制定された省令です。
電気工事の施工や工事の基準が定められています。

これからあなたは電気工事について多くのことを学ぶことになりますが、 実はその殆どがこの【電気設備技術基準】(電気の世界では略して【電技】と呼んでいます。)で定めれれています。

ですが、今はとりあえず、下記の2つだけ覚えてください。


  • @電圧の種別
  • A屋内電路の対地電圧

@電圧の種別

電圧の種別は下記の通りとなります。

交流は600V7000Vが区切り、 直流は750V7000Vが区切りであることを覚えれば
簡単に頭に入ると思います。


種別 交流 直流
低圧 600V以下 750V以下
高圧 600V超〜7000V以下 750V超〜7000V以下
特別高圧 7000V超

ちなみに実際の現場でよく使われる電圧は低圧は100V、200V、400V、高圧は6600V、特別高圧は66000Vです。


A屋内電路の対地電圧

@で大まかな電圧の種類による区分がわかりました。

次は『屋内電路の対地電圧』です。

この言い方をするとちょっと難しく感じる人もいるかも知れませんが、 屋内電路とは大雑把に言うと一般家庭の電路です。

また、対地電圧とは大地と電路間の電圧です。

『大地と電路間』??

とまた、不思議に思う人がいるかも知れませんが、
そう言う人はそういうものがあると思ってもらえば大丈夫です。

ちなみに対地電圧の他に、線間電圧と言うものがあります。

あなたが普段使っているコンセントは線間電圧で100Vになります。
(正確には2極ある内の片方が接地極なので対地電圧も100Vですが・・・・ 後半の講義で説明しますのでよくわからないなら飛ばしてください。)

前置きが長くなりましたが、 屋内電路の対地電圧は下記の通り、 定めれられています。

なぜ、定められているか。 と言うと対地電圧=漏電したときに人体に掛かる電圧になりますので、 対地電圧をあまり高く設定してしまうと感電=即死になります。

だから【電技】で制約を設けています。


  • @ 定格消費電力2kW未満の電気機器を施設する屋内電路は対地電圧 150V以下
  •   すること
  • A 定格消費電力2kW以上の 電気機器を施設する屋内電路は下記の条件で対地電圧
  •   300V以下にできる

2kW以上の電気機器を対地電圧300V以下で使用するための条件
1、人が容易に触れる恐れがないように施設すること。
2、屋内配線と直接接続すること。
3、専用の配線遮断器を施設すること。
4、漏電遮断器を施設すること。

5 電気用品安全法

電気用品安全法は電気用品の製造・販売を規制し、電気用品による危険などを防止するための法律です。

つまり、『粗悪な電気用品で事故が起きるのを防ぐために、国がお墨付きを与えた電気用品の製造・販売のみを許す』と言う法律です。

工事する側もお墨付きがついている電気用品以外を使ってはいけません。

実際には経済産業大臣が認定した機関で検査承認を行い、電気用品を下記の2種類に分けてお墨付きを与えています。


  • @特定電気用品
  • A特定電気用品以外の電気用品

ちなみに、【特定電気用品】は特に事故や障害を起こす可能性が高い電気用品を指します。

また、ここで言う電気用品とは低圧である一般用電気工作物で使われる電気機器や器具・材料を指します。

高圧以上はプロの領域なのであまり細かいことは言わない!と言う考えです。

試験では『どれが特定電気用品か?』みたいな問題も出るので、余裕があるなら何がどの電気用品かも細かく覚えてほしいのですが、

数年に1問出るか出ないかなので、マークだけ覚えて、細かいことは飛ばしてもよいと個人的には思います。

@特定電気用品

  • @ 特定電気用品のマーク ⇒
  • A 特定電気用品の例
特定電気用品マーク

品名 対象仕様
絶縁電線 公称断面積100mu以下
キャプタイヤケーブル 公称断面積100mu以下
ケーブル 公称断面積22mu以下 心数7本以下
コード すべて
ヒューズ 1A〜200A
点滅器 30A以下
開閉器 100A以下
配線用遮断器 100A以下
漏電遮断器 100A以下
小型単相変圧器 500VA以下
放電灯用安定期 500W以下
携帯発電機 30V〜300V

A特定電気用品以外の電気用品

  • @ 特定電気用品以外の電気用品のマーク ⇒
  • A 特定電気用品以外の電気用品の例
一般電気用品マーク

品名 対象仕様
電線管と付属品
単相電動機
かご型三相誘導電動機
ケーブル 公称断面積22mu超〜100mu以下心数7本以下
ネオン電線 公称断面積100mu以下
変圧器
電気ストーブ
換気扇
テレビ

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●本日の動画講義

それでは本日の【動画】プレゼン講義です。
復習のつもりで見てください。





お疲れ様でした。
これで本日の講義は終わりです。

本日は法律についての講義でしたが、
意外と身近に感じられる内容も多かったのではないでしょうか

市販のテキストではよく、何の法律の、第何条により〜〜〜なんちゃら・・・
とかって書いてありますが

そういうことは覚えなくてよいですよ。

あくまでも電気の資格なので、何が言いたいかを掴むことが大事です。

【電技】の第何条に定められている・・・とかは全く必要のない知識です。
間違ったところに労力を掛けないでくださいね

次回は『配線に関する図記号』についてです。
図記号を覚えれば図面が読めるようになります。
図面は設計者とあなたの大事な意思疎通ツールです。
意外と簡単なものなので、次回以降読めるように一緒にがんばりましょう!


それでは、最後まで見ていただいたあなたに
本日のプレゼン講義の資料をプレゼントします。
一度に覚えなくても良いので空いた時間に眺めてみてください。

⇒『第1回 第二種電気工事士に関する法律 プレゼン資料』





 



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