第2回 配線に関する図記号
スポンサーサイト●まえがき
どーも!よっちゃんです。
それでは第2回目の講義をはじめます。
第2回および次の第3回講義では『図記号』について説明します。
図記号は配線図で使われる施工方法や各種器具を表す記号です。
配線図の問題は例年約20問出題されます。
第二種電気工事の筆記試験は合計で50問なので、
この2回の講義を受ければ40点取れる??
な〜〜〜んてことはありませんが(実際には他の講義の内容と複合的に出題されるので)
それでもかなりの割合を占めます。
図面と聞くと難しく思う人がいるかもしれませんが、
断言します!ただの思い込みです。
要するに人に伝えるための絵なので、絵とモノのイメージが結びつければよいのです。
それよりも大事なのはモノを知ることです。
そして、
そのモノを表す絵が図記号です。
それでは下記の順番で講義をすすめていきます。
- 1 配線方法を表す図記号
- 2 配線の種類を表す図記号
- 3 電線管を表す図記号
- 4 一般配線器具を表す図記号
2 配線方法を表す図記号
図記号の具体的な内容に入る前にまずは配線図をちょっと見てみましょう。
これが配線図になります。
パッと見た感じ、建物の概要はわかると思います。
その他、いろいろな記号や数字、線が引かれていますが、これらが図記号になります。
これらの図記号とモノについて、これから説明していきますので、少しずつ覚えてください。
@配線方法を表す図記号一覧
下記は『配線方法を表す図記号』の一覧です。
配線の方法は線の種類によって表されます。
また、配線の立上り、立下り、素通しは○と矢印で表されます。
いかにも!
と言う感じなので覚えやすいと思います。
その他、受電点、接地極、ライティングダクトの図記号も覚えてください。
名称・図記号 | 説明 | |
1 | 天井隠蔽配線 |
配線を天井に隠蔽することを表す |
2 | 床隠蔽配線 |
配線を床下に隠蔽することを表す |
3 | 露出配線 |
配線を露出配線とすることを表す |
4 | 地中隠蔽配線 |
配線を地中に隠蔽することを表す |
5 | 立上げ配線 |
配線を上の階に立ち上げることを表す |
6 | 立下り配線 |
配線を下の階に立ち下げることを表す |
7 | 素通し配線 |
配線を素通しすることを表す |
8 | 受電点 |
電信柱などから電気を受電する場所を表す |
9 | 接地極 |
接地の場所を表す |
10 | ライティングダクト |
ライティングダクトを表す (照明位置が変更可能な天井取付の電源ダクト) |
もう少しわかりやすいように実際の配線をイメージすると次のようになります。
ここで一つ注意点です。
天井ふところも天井隠蔽(いんぺい)配線です。例えば3階の床は2階の天井です。
3 配線の種類を表す図記号
次は『配線の種類を表す図記号』です。
配線!配線!と言いますが、
配線とは何か?
配線とは電線(絶縁電線、ケーブル、コード)の引き回しです。
なので、ここでは下記の5項目に沿って電線についても少し詳しく説明していきます。
- @絶縁電線、ケーブル、コードの違い
- A配線の種類、数、太さの表し方
- B絶縁電線の図記号
- Cケーブルの図記号
@絶縁電線、ケーブル、コードの違い
いきなり質問ですが、絶縁電線とケーブル、コードの違いはわかりますか?
多分、あなたが本当の素人ならわからないと思います。
試験で直接問われることは少ないが、これからあなたがずっと仕事で触るものなので、
ここで整理しておきましょう。
●絶縁電線
絶縁電線は導体を
絶縁被覆(絶縁体)で覆っただけものです。
●ケーブル
ケーブルは絶縁電線を更に
外装(シース)と呼ばれるカバーで覆ったものです。
●コード
コードは絶縁電線と同じく導体を絶縁被覆で覆っただけのものですが
可とう性があります。
A配線の種類、数、太さの表し方
配線図では線に対して添え字や斜線をつけることで、そこの配線の種類、数、太さを表します。
コードはさておき、絶縁電線とケーブルについての表現方法は覚えてください。
B絶縁電線の図記号一覧
絶縁電線とケーブルには多くの種類があります。
次にそれらについて更に詳しく見ていきます。まずは絶縁電線です。
下記は第二種電気工事士試験でよく出る、『絶縁電線の図記号一覧』です。
ここで覚えてほしいのは各絶縁電線の図記号(IV、EM-IEなど)はもちろんですが、
構造や使用できる場所、連続使用最高温度も覚えておいてください。
逆に正式名称は知ってるに越したことはないが、
別に覚えていなくても支障はありません。
図記号 | 名称と構造 | 説明 | |
1 | IV電線 インドア・ビニル |
600Vビニル 絶縁電線 |
屋内配線用 連続使用最高温度60℃ |
2 | EM-IE電線 エコ・マテリアルインドア・ポリエチレン |
600Vポリエチレン 絶縁電線 |
屋内配線用 連続使用最高温度75℃ |
3 | DV電線 ドロップワイヤビニル |
引込用ビニル 絶縁電線 |
屋外引込用 |
4 | OW電線 アウトドア・ウエザープルーフ |
屋外用ビニル 絶縁電線 |
屋外配線用 |
ここで少し覚えやすいように補足します。
絶縁電線の使用できる場所は大きく分けて2つあります。
つまり、屋内と屋外です。
一覧をよ〜〜〜く見てもらうとわかるが、 屋内で使う絶縁電線の導体部分は軟銅線です。
一方、屋外で使われる絶縁電線の導体部分は硬銅線です。
では軟銅線と硬銅線の違いは何か?
実は機械的強度の違いです。
つまり、硬銅線の方が機械的強度が強いのです。
なので屋外用の絶縁電線は導体部分に硬銅線が使われています。
ちなみに電気的特性は軟銅線の方が優れています。
なので、殆どの絶縁電線とケーブルの導体部分に軟銅線を使っています。
少し長くなるが、連続使用最高温度についても補足しておきます。
一覧の絶縁電線には2種類の使用最高温度がありますね。
60℃と75℃です。
またまたよ〜〜〜く見てもらうと気づきますが、実は連続使用最高温度は絶縁被覆の材質によって決まっています。
つまり、ビニルは60℃、ポリエチレンは75℃です。
ちなみにポリエチレンは燃やしたときビニルほど有害物(ダイオキシンとか)が出ないので
環境にやさしいらしいです。
Cケーブルの図記号一覧
絶縁電線の次はケーブルです。
絶縁電線を更に外装(シース)で保護したのがケーブルでしたね。
『下記はケーブルの図記号一覧』です。
ここでも絶縁電線と同じく、
記号の他にケーブルの構造、 使用場所、連続使用最高温度も覚えておいてください。
図記号 | 名称と構造 | 説明 | |
1 | VVFケーブル ビニル絶縁・ビニル外装・フラット |
600Vビニル 絶縁ビニル外装 平型ケーブル |
屋内、屋外、地中配線用 連続使用最高温度60℃ |
2 | VVRケーブル ビニル絶縁・ビニル外装・ラウンド |
600Vビニル 絶縁ビニル外装 丸型ケーブル |
屋内、屋外、地中配線用 連続使用最高温度60℃ |
3 | EM-EEFケーブル エコマテリアル |
600Vポリエチレン絶縁 耐熱性ポリエチレン外装 平型ケーブル |
屋内、屋外、地中配線用 連続使用最高温度75℃ |
4 | MIケーブル メタル・インシュレーテッド |
無機絶縁ケーブル |
耐火配線用 連続使用最高温度250℃ |
5 | CVケーブル クロスリンクド・ポリエチレン・ビニル |
架橋ポリエチレン絶縁 ビニル外装ケーブル |
屋内、屋外配線用 連続使用最高温度90℃ |
6 | CVTケーブル クロスリンクド・ポリエチレン・ビニル ・トリプレックス |
トリプレックス型 架橋ポリエチレン絶縁 ビニル外装ケーブル |
屋内、屋外配線用 連続使用最高温度90℃ CVケーブルより放熱性が良いため許容電流が高く、施工性も優れている。しかし、ある程度の太さの製品しかない |
7 | CTケーブル キャブタイヤ |
キャブタイヤケーブル |
屋内配線用 移動用ケーブル 外装は天然ゴムを使用している |
8 | VCTケーブル ビニル・キャブタイヤ |
ビニル・キャブタイヤケーブル |
屋内、屋外配線用 移動用ケーブル 外装はビニルを使用している CTケーブルより耐熱性、耐水性、柔軟性に優れている |
4 電線管を表す図記号
電線管は電線類を収める管です。
主に電線類の保護を目的とします。
この電線管の施工も電気工事士にとって重要な仕事になります。
施工方法は後日、別の講義で更に詳しく説明しますが、
ここではどういうモノがあるか覚えてください。
それでは次の順番に説明していきます。
- @電線管の種類と太さの表し方
- A電線管の図記号
@電線管の種類と太さの表し方
電線管は大きく分けて2種類あります。
ひとつが金属製管、
そしてもうひとつが合成樹管です。
電線管を配線図で表すときは絶縁電線やケーブルを表す図記号のあとに
電線の種類を表す記号と太さを()で囲んで付け加えるだけです。
ここで注意してほしいのは
電線管の太さは金属管と合成樹脂管では意味が若干違うということです。
金属管の太さは外径、合成樹脂管の太さは内径を指します。
A電線管の図記号一覧
電線管は大きく分けて金属管と合成樹脂管の2種類と言いました。
しかし、試験ではもっと詳しく 問われます。
下記の6種類の電線管はよく試験に出るのでモノとそれぞれの特徴を覚えてください。
種類 | 図記号 | 表記例 | 説明 | |
1 | 薄鋼電線管 |
なし | (19) | 金属製の電線管で
ねじを切って使う 管の太さは外径に近い奇数で表す 肉厚は1.6mm以上 長さは3.66m |
2 | ねじなし電線管 |
E | (E19) | 金属製の電線管で
ねじを切らずに使う 管の太さは外径に近い奇数で表す 肉厚は1.2mm以上 長さは3.66m |
3 | 合成樹脂電線管 |
PF | (PF16) | 合成樹脂製の電線管で
可とう性がある 管の太さは内径に近い偶数で表す 耐熱性があるため露出配線に使える |
4 | CD | (CD16) | 合成樹脂製の電線管で
可とう性がある 管の太さは内径に近い偶数で表す 耐熱性がないため露出配線に使えない コンクリート埋設でしか使えない 色はオレンジ |
|
5 | 硬質塩化ビニル電線管 |
VE | (VE16) | 合成樹脂管のひとつである硬質塩化ビニル製の電線管 管の太さは内径に近い偶数で表す 衝撃、熱に弱く 薬品、油に強い 長さは4m |
6 | 耐衝撃性硬質塩化ビニル電線管 |
HIVE | (HIVE16) | 合成樹脂管のひとつである耐衝撃性硬質塩化ビニル製の電線管 管の太さは内径に近い偶数で表す VE管に比べて衝撃に強い 長さは4m |
5 一般配線器具を表す図記号
本日の最後に『一般配線器具を表す図記号』です。
一般ってなに?
と思われるかもしれませんが、 ここで紹介するのは電線と電線のジョイント部分に使う器具です。
自分で配線するのを想像してみればすぐわかると思いますが、
一軒の家の配線を電線一本で一筆書きみたいに配線するのは現実的に無理です。
なので途中でジョイントできる場所を設けるのです。
つまり、箱みたいなものを付けてそこでジョイントするのです。
この箱もいろいろ種類があるので覚えてください。
とは言っても第二種電気工事士試験では下記の3種類だけ覚えれば十分だと思います。
一般配線器具を表す図記号一覧
名称 | 図記号 | 説明 | |
1 | VVF用ジョイントボックス |
隠蔽場所でVVFケーブル同士の接続に用いる | |
2 | アウトレッドボックス |
電線管を使う工事で電線同士を接続する場所に用いる | |
3 | プルボックス |
電線管が多数集合する場所に用いる |
実際の先ほどと同じ配線イメージに当てはめてみると次のようになります。
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●本日の動画講義
それでは本日の【動画】プレゼン講義はこちらです。
復習のつもりで見てください。
お疲れ様でした。
これで本日の講義は終わりです。
いかがでしたか?
いきなり、いろんな記号や電線が出てきて気持ちが萎えたかもしれません。
しかし、大丈夫です。今日出てきた内容はどれも大事なものですが
別に一気に覚える必要はありません。何回も繰り返し見れば自然と覚えられると思います。
また、時間があるならホームセンターの電材売場に行って、
現物を手に取ってみるのもいいかも知れません。
次回は『器具に関する図記号』です。配線と器具に関する図記号を覚えれば一応、配線図の意味がつかめると思います。次回も盛りだくさんですが、しっかりついてきてくださいね!
それでは、最後まで見ていただいたあなたに
本日もプレゼン講義の資料をプレゼントします。
⇒『第2回 配線に関する図記号 プレゼン資料』
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