よっちゃんの電工2種講座

第3回 器具に関する図記号

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●まえがき

どーーーも!よっちゃんです。
第3回の講義は前回に引き続き『図記号』について説明します。
前回の講義では配線方法、電線、電線管、一般配線器具などの配線に関する図記号について
勉強しました。

今回はもう少し踏み込んでコンセント、スイッチ、照明器具およびその他の器具に関する
図記号について説明します。

ここでちょっとあなたの家の中を思い浮かべてほしいのですが、
電化製品(テレビ、冷蔵庫、洗濯機など)を除いて
あなたの家に元々付いている電気器具は何がありますか??

いろいろ答えはあると思いますが、
絶対に付いているのはコンセント、スイッチ、照明器具だと思います。

実はめちゃめちゃ乱暴な言い方をすると
電気工事士の仕事はこれらの器具を電気的に繋ぐことです。
(電気工事士に怒られますね。実際には繋ぐまでが大変です。)

なので
これらの器具はそれだけ電気工事士の仕事にとっては重要な器具です。
今回の講義では図記号だけではなく、
これらの器具の仕様についても詳しく説明しますので
聞いてください。

では、次の順番ですすめていきますので
しっかり、ついてきてくださいね。


  • 1 コンセントを表す図記号
  • 2 スイッチを表す図記号
  • 3 照明器具を表す図記号
  • 4 その他の図記号

1 コンセントを表す図記号

@コンセントの図記号についての基礎知識

コンセントは言うまでもなく壁についているあれ!です。
穴が二つあります。

実は穴の大きさが違うのは知ってますか?

長い方がN極(接地極)短い方がL極(非接地極)です。
N極は指を突っ込んでも感電しません。(たまに違うのがあるので、本当に指を突っ込まないでください!感電しても責任を負いかねます!!)

まぁ、ここまでは余談です。今はわからなくても大丈夫です。

ここからが本題ですが、
コンセントに限らず、コンセントならコンセントの図記号の基本形があります。

そして、同じコンセントでも種類よってちょっと記号の形が違ったり、
添え字がされてたりします。

なので、よく使う図記号を一つ覚えておけば
他の種類のコンセントもだいだい察しが付くと思います。

下記に壁付きのコンセントの図記号とよく使う添え字を表します。
コンセントの基礎知識
埋込形、露出形と載っていますが、上記の図記号はあくまでも壁付きコンセントです。
埋込みだろうが、露出だろうが、壁に付けば壁付コンセントの図記号を使います。

ちなみに壁付の露出形の場合は添え字で露出形と書けばいいです。

別段、添え字がない場合は埋込形とみなされます。

また、家庭にあるような一般的なコンセントの定格電圧は125V、定格電流は15Aです。

Aコンセントの図記号一覧

これでよく見るコンセント(壁付コンセント)の図記号は覚えたと思います。

次は
その他のコンセントの図記号を紹介します。

ちなみに気が付いている人は少ないと思いますが、
コンセントの場合、設置場所による違いは図記号の形、
機能による違いは添え字で表されます。

別にどのように覚えても良いのですが、
整理しておくと覚えやすいと思います。


●設置場所による区分

名称 図記号 説明
1 壁付コンセント
壁付コンセント
壁付コンセント図記号 壁付けの一般的なコンセント
2 天井付コンセント
壁付コンセント
天井付コンセント図記号 天井付けのコンセント
3 フロアコンセント
フロアコンセント
床面用コンセント 床面用のコンセント

●機能による区分

名称 図記号 説明
1 抜け止め型
コンセント
抜け止形コンセント
抜け止形コンセント図記号 プラグを差込みひねるとロックする構造の
コンセント
2 接地極付
コンセント
接地極付きコンセント
接地極付きコンセント図記号 接地極のあるコンセント
3 接地端子付
コンセント
接地端子付きコンセント
接地端子付きコンセント図記号 電気機器の接地線を繋ぐための接地端子が
付いているコンセント
4 接地極接地端子付
コンセント
接地極接地端子付きコンセント
接地極接地端子付きコンセント図記号 電気機器の接地線を繋ぐための接地端子と
接地極を両方もっているコンセント
5 防雨型
コンセント
防雨形コンセント
防雨形コンセント図記号 屋外の雨水がかかる場所に取り付けるコンセント

B配電方式と容量の違いによる形状の違い

コンセントの図記号の説明は終わりですが、
第二種電気工事士試験ではコンセントの形状についてもよく出題されます。

一般的なコンセントの形状はよくご存知だと思いますが、
実は配電方式と容量(流せる電流)によって他に数種類の形状があります。

下記にその一覧表を示しますので赤枠で囲まれたものはしっかり覚えてください。

覚え方は自由ですが
例えば、単相100V系は縦、単相200V系は横
みたいな覚え方をすると覚えやすいと思います。


コンセント形状一覧

2 スイッチを表す図記号

@単極スイッチ、3路スイッチ、4路スイッチ

スイッチは照明などのON・OFFに使われます。

普段、私たちは無意識に使っていますが、 よく使うスイッチは3種類あります。

まずはこれらを確実に覚えてください。


  • 単極スイッチ:普通のスイッチ、操作部にマークがあるのが特徴
  • 3路スイッチ:2箇所から照明を点滅させるときに使う
  • 4路スイッチ:3箇所以上から照明を点滅させるのに使う

これらのスイッチは図記号はもちろんのこと、内部回路もしっかり覚えてください。
また、後ほど説明しますが、
3路スイッチと4路スイッチを使った回路も覚えてください。


単極、3路、4路スイッチ解説図

A3路スイッチ回路、4路スイッチ回路

ここでは3路スイッチと4路スイッチを使った回路を説明します。

なぜ3路スイッチと4路スイッチを使う必要があるのか?
といいますと
複数箇所から照明を点滅させるためです。

例えば、2階建の家なら1階で階段の電気を点けて、2階で消したいですよね?
そんなときに3路スイッチを使います。

また、3階建以上なら4路スイッチも使います。

下記に例を示します。

例とは言っても決まったパターンですので、覚えてください。
頭の中で電気の流れを想像してみると納得できる回路だと思います。

●3路スイッチ回路(2階建階段灯の場合)
3路スイッチ配線

●4路スイッチ回路(3階建階段灯の場合)
3路、4路スイッチ配線

Bパイロットランプ回路

パイロットランプ、これはスイッチではないのですが、
スイッチの状態を表示するためにスイッチに抱き合わせて使われます。

表示させる状態は下記の3種類あります。

  • ●常時点灯:電源の有無確認用
  • ●同時点灯:スイッチのON確認用
  • ●異時点灯:スイッチの場所確認用

これらの表示機能をもたせるためには次のように接続します。


パイロットランプの回路 接続方法
1、常時点灯:ブレーカON状態のときに点灯 コンセントと同じ
2、同時点灯:スイッチを入れたときに、他の照明器具と同時に点灯 照明器具と同じ
3、異時点灯:他の照明器具が点灯したときに消灯
       他の照明器具が消灯したときに点灯
スイッチと並列

表示方法別パイロットランプ配線例

パイロットランプの接続を問う問題は数年に一度出題されます。
また、表示灯内蔵スイッチの内部回路について問う問題も出題されることがあります。

表示灯内蔵スイッチの内部回路=パイロットランプの接続方法なので
パイロットランプの接続を覚えていれば、どちらの問題にも対処できます。

ただし、いきなり上のような図が出てきて面食らってる人もいると思います。

これは複線図と呼ばれるものです。

描き方さえ分かれば簡単ですが、分からない人は飛ばしてください。
もちろん覚えなければならない知識ですが、
別にこれが解けなくても筆記試験に落ちるとは限らないので、
焦らなくてよいです。

複線図の書き方はまた別の講義で説明します。


C自動点滅器およびタイムスイッチ回路

自動点滅器(オートスイッチ)とタイムスイッチは基本的に同じ回路構成です。
どちらも内部の素子またはタイマーが働いて、自動でスイッチを入り切りしてくれるものです。
まぁ、細かいことは抜きにしてパターンとして覚えてください。

オートスイッチ、タイムスイッチ配線

Dスイッチに関する図記号一覧

単極スイッチ、3路スイッチ、4路スイッチ、パイロットランプ、自動点滅器、タイムスイッチが出てきました。

スイッチに関してはこの6つは必ず覚えてください。

下記にスイッチに関する器具の図記号一覧を示します。
重要な6つのスイッチ以外のものは細かく問われることはないが

たまに写真判別問題で出されたりしますので、
写真と図記号は覚えておきましょう。

名称 図記号 説明
1 単極スイッチ
単極スイッチ
単極スイッチ図記号 普通のスイッチ
操作部にマークがあるのが特徴
2 3路スイッチ
3路スイッチ
3路スイッチ図記号 2箇所から照明を点滅させるときに使うスイッチ
3 4路スイッチ
4路スイッチ
4路スイッチ図記号 3箇所以上から照明を点滅させるときに使う
スイッチ
4 パイロットランプ
パイロットランプ
パイロットランプ図記号 スイッチの位置や動作状態を表示させるための
ランプ
5 表示灯内蔵スイッチ
表示灯付きスイッチ
表示灯付きスイッチ図記号 パイロットランプを内蔵したスイッチ
6 自動点滅器
オートスイッチ
オートスイッチ図記号 光センサを内蔵し、暗くなると自動で入るスイッチ
7 タイムスイッチ
タイムスイッチ
タイムスイッチ図記号 設定した時間に入るスイッチ
8 プルスイッチ
プルスイッチ
プルスイッチ図記号 紐で引っ張るタイプのスイッチ
9 キャノピースイッチ
キャノピースイッチ
なし 器具に取付けるて使う、紐を引っ張るタイプの
スイッチ

器具に取付けるためのナットがあるのが特徴
10 防水型スイッチ
防水形スイッチ
防水形スイッチ図記号 屋外などで使う、防水型のスイッチ
11 調光器
調光器付きスイッチ
調光器図記号 明るさを変えられるスイッチ
12 リモコンスイッチ
リモコンスイッチ
リモコンスイッチ図記号 リモコン配線用のスイッチ

一箇所でたくさんの照明を操作できる

低電圧で操作できるので比較的安全である。
13 リモコンリレー
リモコンリレー
リモコンリレー図記号 リモコン配線用のリレー
14 リモコンセレクタ
スイッチ
リモコンセレクタスイッチ
リモコンセレクタスイッチ図記号 複数のリモコンスイッチを集合させたもの
15 リモコントランス
リモコントランス
リモコントランス図記号 リモコン配線用の変圧器

一次側100Vまたは200V、二次側24V


リモコンスイッチに関してちょっと補足します。
リモコンスイッチは1ヵ所でたくさんの照明を操作するときに使います。

これを使うメリットはもちろんたくさんの照明をまとめて操作できることですが、
もう一つ重要なメリットがあります。

それはリモコントランスを介して低電圧で操作するので安全性が高いと言うことです。

リモコンスイッチ回路の概要は次のようになっています。

リモコントランス配線図概要

3 照明器具を表す図記号

照明器具の図記号は基本的に白熱灯と蛍光灯の2種類の基本形があって、
この2種類を元に他の器具の図記号も決められています。

なので、覚えるのは割りと簡単だと思います。

ところで最近はLED形の照明器具が急速に普及してきましたが、
LEDの図記号に関しては特別に何も決められていないみたいです。

なので、添え字で書けば良いみたいです。

しかし、電気の世界は時代と共に変化していきます。
数年後にはLED照明器具の図記号が新しく追加されるかもしれません。


照明器具の図記号一覧

名称 図記号 説明
1 白熱灯
壁付白熱灯
白熱灯図記号 白熱電球を使った照明器具
2 蛍光灯
蛍光灯
蛍光灯図記号 蛍光灯器具
3 誘導灯
誘導灯
誘導灯図記号 ビルの廊下や階段に取付ける避難誘導用の照明器具
4 屋外灯
屋外灯
屋外灯図記号 屋外に設置する照明器具
5 ペンダント
ペンダント
ペンダント図記号 天井から吊り下げて使う照明器具
6 引掛シーリング
引掛けシーリング
引掛けシーリング図記号 天井に照明器具を取付けるための器具
7 シーリングライト
シーリングライト
シーリングライト図記号 天井に直接取り付ける照明器具
8 ダウンライト
ダウンライト
ダウンライト図記号 天井に埋め込む照明器具
9 シャンデリヤ
シャンデリア
シャンデリア図記号 複数の電球を灯す装飾用照明器具
10 水銀灯
水銀灯
水銀灯図記号 水銀蒸気中の放電による発光を利用した
照明器具
11 ナトリウム灯
ナトリウム灯
ナトリウム灯図記号 ナトリウム蒸気中の放電による発光を利用した照明器具
12 メタルハイライド灯
メタルハイライド灯
メタルハイライド灯図記号 水銀灯を改善したもの


4 その他の図記号

前項までに重要な器具(コンセント、スイッチ、照明)の図記号の勉強は終わりました。
続いてはその他の図記号です。

その他の図記号はたくさんあります。
一気に覚えるのは大変かもしれません。

私の経験上こういうものは一気に覚えるのではなく、
なんとなく眺めておいて、 過去問を解いたときにわからないものは調べる!
を繰り返した方が効率よく記憶に残ります。

また、覚えるときは説明のところに書いている 器具の特徴や見分け方も一緒に覚えてください。


その他の図記号一覧

名称 図記号 説明
1 ナイフスイッチ
ナイフスイッチ
ナイフスイッチ図記号 レバー操作で電路の開閉をする器機。中にヒューズが入っているものもある。
2 電流計付箱開閉器
電流計付箱開閉器
電流計付箱開閉器図記号 電流計とナイフスイッチ、ヒューズが箱に入っている器機。
電動機の手元開閉器として使われる。
3 配線遮断器
配線遮断器
配線遮断器図記号 いわゆる普通のブレーカ
過電流が流れると自動で電路を遮断する。
4 モータブレーカ
モータブレーカ
モータブレーカ図記号 電動機用のブレーカ

電動機の容量が表示されている。
5 漏電遮断器
漏電遮断器
漏電遮断器図記号 電流が電路以外に漏れたとき(漏電したとき)に自動で電路を遮断する機能を持ったブレーカ

テストボタンがある
感度電流が表示されている。
6 電力量計
電力量計
電力量計図記号 電力量を積算して表示する器機
7 電動機
電動機
電動機図記号 いわゆるモータ
8 コンデンサ
コンデンサ
コンデンサ図記号 力率改善のために回路に並列に取り付ける。
  
コンデンサの容量(静電容量)を表すF(ファラット)やμF(マイクロファラット)の表示がある。
9 電熱器
電熱器図記号 いわゆるヒーターを使った器機。電気温水器など
10 電磁開閉器
電磁開閉器(マグネット)
電動機を制御(電源のON、OFF)をするための器機。
写真のはサーマルリレー(熱動継電器)付のもの。 サーマルリレーなしのものは電磁接触器と呼ぶ。
11 電磁開閉器用
押しボタンスイッチ
電磁開閉器用押しボタンスイッチ
電磁開閉器用押しボタンスイッチ 電磁開閉器用の押しボタンスイッチ
12 分電盤
分電盤
分電盤図記号 照明、コンセントなどに電源を供給するための盤。 ほぼブレーカのみで構成されている。
13 制御盤
制御盤
制御盤図記号 モータ、ヒータなどの動力への電源供給や保護、制御を目的とした盤。 ブレーカの他に制御用のリレーなども収められている。
14 配電盤
配電盤
配電盤図記号 分電盤や制御盤に電源を供給する盤。
断路器、遮断器、継電器、計器のどで構成されている。
15 ルームエアコン
室内機
ルームエアコン室内機
ルームエアコン室内機図記号 普通のエアコン室内機
16 ルームエアコン
室外機
ルームエアコン室外機
ルームエアコン室外機図記号 普通のエアコン室外機
17 換気扇
換気扇
換気扇図記号 普通の換気扇
18 ベル ベル図記号 鈴や鐘みたいな音がする。いわゆるあれです。
19 ブザー ブザー図記号 電磁音がする。いわゆるあれです。
20 チャイム チャイム図記号 学校や玄関で鳴る。あれです。
21 ベル用トランス
ベルトランス
ベルトランス ベル用のトランス


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●本日の動画講義

それでは本日の【動画】プレゼン講義はこちらです。
復習のつもりで見てください。




お疲れ様でした。
これで図記号の講義はすべて終了です。

いかがでしたか?
記号がたくさん出てきて頭がパンパンだと思います。
でも、大丈夫です。何回も見返せば誰でも当たり前のように図記号が読めるようになります。

しかも、朗報です。
これで第二種電気工事士合格に必要な知識の半分の勉強は終わりです。
え!?
と思われるかもしれませんが、
実は第二種電気工事士の試験は図面と工事にウェートがかなり偏っています。

つまり、
今まで勉強してきた法律と図記号と次回から勉強する各種工事を覚えれば
合格に必要な最小限の知識は身につきます。

なので、苦しいですが、
次回以降、第4回〜第8回までは各種工事について説明しますので
無理しなくて良いので毎日1回分!
なんとしても勉強を継続してください。
次回は『金属管工事』です。


それでは、最後まで見ていただいたあなたに
本日もプレゼン講義の資料をプレゼントします。

⇒『第3回 器具に関する図記号 プレゼン資料』





 



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